永遠の花ことば*完結*
そのことを思うと、もういっそ兵を出そうかと思ってしまう。
なんどシルクの中で葛藤が起きたことだろう。
「リヴ、私、貴方を助けたければ戦争に協力しろと言われたわ。
でも、私はそれができない。
ごめんなさい…」
リヴをぎゅっと抱きしめながら、目をつむるシルク。
そんな辛い表情のシルクに、リヴはキスをした。
「大丈夫、俺はきっと帰ってくるよ。」
長いキスの後、2人は家の中に入った。
そこは心地よく、幼い時に戻ったような感覚になった。
「…ルキ、さん?」
シルクはいつものあの暖かい笑顔がいないことに気がついた。
彼はいつも優しく、シルクを迎えてくれる。
「兄ちゃんは奥で寝てる。
病気、かかっちゃったんだ。」
悲しそうな笑みでそうつぶやくリヴは、
あの日、亡くなった両親の話をした時の表情と同じだった。
シルクはそれ以上聞けなかった。
その代わり、そっとルキの部屋に笑顔の花をそっと添えておいた。