永遠の花ことば*完結*
フィルミスクの女王
外は静かなそよ風が吹き、
フィルミスク王国の民はこの静かなひと時を幸せにすごしていた。
水面に映る澄んだ蒼の空は、
どこか悲しく世界を見つめていた。
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「男の子!!男の子なのね!?
それはよかった!!!!」
フィルミスクの王室には、
一人の女の声。
そしてその声で起こされた赤ん坊の泣き声が響いていた。
「もう!ミリアーネ!!」
そう小声でミリアーネにしっというポーズを見せつけ、
自分の愛おしいわが子をあやすフィルミスク国王。
…シルクは男の子を産んだ。
もちろん、そのことは国民みんなが知っている事。
フィルミスクでは王子誕生の祝いの祭り事が多くひらかれていた。
しかしその宴に参加する国王の瞳は、
悲しい色に輝いていた。
それに気付くものがはたしているのだろうか。