永遠の花ことば*完結*
王子誕生を発表した時、
国民はその女王を若い駄目な女王だと批判した。
しかしその声はその女王によってすぐにかき消され、
反対に祝福するものに変わった。
「グーワナの一般人との子供なんかなんで産んだ!」
シルクにとってその言葉が一番つらかった。
幼い時からずっと好きだったリヴ。
しかしそれは『一般人の男』。
どれだけ2人が思い合い、通じ合っていても。
その想いを知らない人から見れば批判されることは当たり前。
しかしもうそんな2人の想いを否定する声には慣れた。
否、慣れることはない。
しかしそれに言い返すことぐらいは弱かった姫でもできるようになったのだ。
「女王が普通の恋をするのの何がいけないの。
私は高貴な身分がなくても、
自分が本当に愛した人との子供なら心から愛せる。
いや、愛す。
これが母親というものではないのか?
身分などなくとも私はこの子を立派な王にしてみせる。
時期国王はこの子だ。
私のたった一人の子だ。」
女王シルクが国民の前で涙を流したのはそれが最初で最後だったという。