永遠の花ことば*完結*



リヴの顔が目の前にあり、シルクは幼いながらにもどきりとした。


なんせ初めての経験だ。

目の前に自分と同じくらいの少年がいて、

その少年は自分と対等に話してくれる。


そして、自分の目の前には顔がある。



「はい、気にいったんだろ?この花。」



頬を赤くし、目をぎゅっとつむるシルクに気づくこともなく、リヴはシルクから離れた。


そして自分の作った髪飾りを眺め、満足そうに笑った。



先ほどまで言い争っていたのに。


シルクは自分が悪いのを棚に上げたことを少し後悔した。



「ふふ、そうね、ありがとう!」



シルクは初めて、親以外の人の前で素直になれた気がした。

こんな些細なことで、うれしくなれる喜びを知った。



そして、リヴの髪型は自分と同じで、前髪を髪止めで止めていた。


シルクを自分と同じ髪型にしてくれたリヴがなぜかおもしろくて、

シルクは自然と笑顔になった。


自分と同じ髪型だということに、シルクに指摘されて初めて気づいたリヴは照れ笑いをしていた。




< 16 / 180 >

この作品をシェア

pagetop