永遠の花ことば*完結*
「あの時のシルクちゃん、立派だったそうね~…」
ミリアーネはシルクが壇上に上がった時、
グーワナ王国にいた。
それは戦争中にしては長期滞在で、
子供が生まれるところに居合わせることができなかった。
「私はリヴとこの子…、エスポワールが大好きだわ。
その気持ちを否定されることだけは許さない。」
そう言うと、シルクは立ち上がりエスポワールの手に触れた。
シルクの指をそっと握る弱い力に、
自然と笑みがこぼれた。
「あらっ、!
名前も決まっていたのね!」
ミリアーネはシルクの隣に立つと、
ツンツンと赤ん坊特有の柔らかな頬を触った。
早くリヴにこの子を見せたい。
シルクはそう思っていた。
しかしリヴは戦火の中。
生きて還ってくることは不可能に近かった。