永遠の花ことば*完結*
シルクはグーワナ城に向かった。
その道のりはひどいものだった。
あんなに綺麗だった街並みは茶色く焦げ、
町からは音が消えていた。
今はダイオス、グーワナ両方とも国が揺らいでおり、
ほとんど休戦のようになっていた。
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城とは愚かなものだ。
シルクは改めてそう思った。
この広い王宮の中に閉じこもり、閉じ込められ。
外の世界を知らない人々のわがままに国民は付き合わされ、
そして儚い命は散っていく。
「…シルク様……、」
最初にシルクを出迎えたのは、
瞳の光を失くし、筋肉だけで笑うユンリ。
シルクはそんな痛々しいユンリを見ていられなかった。
城の中にまで戦場の火は飛び火しているのか、
と、シルクは少し心配になった。
しかしその心配も、このグーワナ城の奥に進めば消えうせるものだった。