永遠の花ことば*完結*




「戦争は、もうこりごりだ。」



そう言って自身の頭を抱えるウィリアム。

そんな情けない姿をシルクに見られ、

恥じる様子もなくウィリアムはシルクに近づいた。



「弟に会いに行け。」



そう一言だけ告げると、

ウィリアムは大臣らしき人に声をかけ、部屋を出て行った。



シルクは言われた通りアスリの部屋を訪ねた。

するとそこにはベッドに寝込むアスリがいた。


その傍らには薬やら大きな包帯やらが積まれており、

戦争で傷を負ったのだと一目でわかった。



「アスリ!!!

怪我をしたのね?大丈夫?

あぁ、もう戦争なんか駄目、今すぐにでもやめましょう」



シルクはアスリのもとに駆け寄ると、

目に涙をためた。



しかしアスリはそんなシルクの言葉に応えることもなく、

小さく震える指でシルクの髪を撫で、


そして過呼吸になりかけている口で静かに言葉を紡いだ。




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