永遠の花ことば*完結*
帰り際、すっかり病気の治ったルキから渡された一つの封筒。
何が入っているのか気になっていたが、
エスポワールを抱いているため見れなかった。
城へ戻る途中、あの国境についた。
そこでエスポワールを膝に座らせ、
自由がきくようになった少し疲れた両手でそっと封筒を開いた。
すると何か硬いものが笑顔の花の上に落ちた。
それを拾い上げると、シルクの大きな瞳には涙が浮かんだ。
---…
Dear シルク
いきなりだけど、これは俺の遺書だ。
そして、シルクに宛てた最後の手紙。
この手紙をシルクが読んでるってことは、俺は死んだんだな。
自分でこの文章を書いてるのに、
俺は死ぬのが怖くてたまらない。
でも、わからないけど、
きっと俺は死んだことに後悔はしてないと思う。
シルクのために、ずっとそばにいると言っておきながら、
それは自分のためだったんだ。
自分がシルクのそばに居たかっただけなんだ。
俺たちの子供を、産んでくれてありがとう。
一度だけでも顔を見たかった。
約束を守れなかった。
それだけが俺の後悔だ。