永遠の花ことば*完結*
シルクは手紙を読み終えると、
草の上に落ちた硬い物を拾い上げた。
そして自らの薬指につけ、
膝の上にいるエスポワールを抱きしめた。
「ぅ…ぁ、リヴ…、」
不意に涙がこぼれ出し、
シルクは声をあげて泣いた。
エスポワールは指をしゃぶりながらシルクを不思議そうに見上げた。
その小さな瞳と目があうと、
エスポワールはきゃっきゃと笑っていた。
「エスポワール、ありがとう。」
そう呟き、自らの子供にキスを落としたシルク。
エスポワールは無邪気に喜び、
そしてジタバタと暴れた。
「そろそろ、城に戻りましょうか。」
エスポワールの頭を撫で、立ち上がる。
その足取りは軽かった。
シルクはもう一人じゃなかった。