永遠の花ことば*完結*
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「もうすぐ、私の誕生日なのよ、リヴ。
覚えてるかしら?」
シルクはリヴに話しかけた。
墓の傍らにある剣に触れると、リヴの声が聞こえる気がした。
「…貴方は、本当に勝手な人だわ。
エスポワール、もう5歳になったのよ。」
は、と息を吐き、シルクは指輪を握った。
王族の豪奢な指輪はシルクには似合わない。
リヴはシルクの小柄で華奢な体に似合うよう、
素朴で綺麗な指輪を送った。
「貴方はこのクリスタルの中にいるのね?
わかるわ。これは笑顔の花なんでしょう?
起用な貴方だもん、指輪くらい簡単に作れちゃうのよね」
リヴが自分のために指輪を作っているところを想像すると頬が緩んだ。
「来世、ね。
結構ロマンチックよね、リヴって。
でも、私も信じるわ。」
ふふっと笑い、シルクは立ち上がった。
またね、とリヴに別れを告げ、
エスポワールの待つ城へと馬を走らせた。