永遠の花ことば*完結*
お姫様と男の子
『お父様!お母様!
待って!!嫌!嫌よ!!一人にしないで!
ねぇ、お願い、お願いよ…』
------……
戦争は終わった。
国には平和が戻った。
でも、お父様とお母様はもう。
戻らない…
3年前の戦争で、たくさんの人が死んだ。
当時のフィルミスク王国の王ラグルは、
戦争を相手国スカンの王とともに自分たちが闘い、
そして死ぬことで決着をつけた。
国民たちはみな反対し、戦争を続けることを望んだ。
しかしそれは国を滅亡へと追い込むだけ。
2人の王はそれをわかっていた。
そして、国民の反対を押し切り、国民のために死した。
その後、ラグルの妻、ミイクは心を閉ざした。
ミイクが笑顔を見せるのは、ときどき、シルクの前でだけだった。
ラグルの死から1年後、耐えられなくなったミイクは自殺。
一人、自室で涙を流して死んでいたという。