永遠の花ことば*完結*
悲しい男の子
シルクは城や貴族たちの豪邸以外に来るのは初めてだった。
素朴な家の作り、城とは比べ物にならないほどの粗末な家だった。
しかしシルクは不思議とそんなことはきにならなかった。
ただ、狭い家の中に兄ちゃんと呼ばれた男性しかいないことのほうが気にとまった。
「あ?なんだ?ガールフレンドか?
お前ませてんなー。」
そういってリヴの兄は2人に歩み寄った。
そしてシルクの首元のリボンにつけられた紋章を見て驚いた。
「あんた、お姫さんか…?」
そう、シルクの首元には、フィルミスク王国の王族を意味する紋章がついていた。
それに合わせ、豪奢なドレス、はいていた靴もすべて高価なものだった。
「そうです、けれどわたしは城に帰りたいとはおもいません。」
シルクはうつむいてそう言った。
そして、リヴとつながっている右手をぎゅっとにぎった。
リヴの兄はシルクの全身を見た。
おそらく王族というのが本当だということがわかる。