永遠の花ことば*完結*
「姫様、俺の名はルキと言います。」
リヴの兄、ルキはにこりと笑うとその視線をリヴに向けた。
そして真顔になった。
「お前、この姫さんが誰だかわかってんのか?」
そう言うと、リヴの腕を引き、隣の部屋につれていこうとした。
その拍子にシルクとつないでいた手がはなれ、リヴは一瞬シルクを見た。
そしてシルクは言った。
「まってください!
リヴは何もわるくないのです。
わたしがかってについてきてしまっただけ。
今日1日だけでもよいのです、ここに泊めていただけないでしょうか?」
あれほど嫌だった言葉の勉強。
しかし今はこうして相手に向かってその時習った言葉づかいが役にたっていた。
シルクの表情を確認し、そして深いため息をついたルキ。
ルキもリヴと同じで、肌寒い夜に一人で放置しておく事はできなかった。
しかし他国の姫を家に泊めるなど。
しかも無断で。
そんなことは決して安易な事ではなかった。