永遠の花ことば*完結*
手を引いて城まで送ると申しても、きっとシルクはそれを断り、逃げてしまうだろう。
どちらにせよ、どう転んでもいい方向には転べなかった。
「まったく。面倒な姫様ですね。
あなたを泊めたら俺たちが誘拐犯だって言って殺されてもおかしくないんですよ?」
シルクはその言葉に驚き、家を出て行こうとした。
しかし、
「待てよ。お姫様。
出て行けとは言ってねぇよ。」
先ほどと全く口調の違うルキ。
そして腕をひっぱる強い力。
シルクが振り返ると、リヴは笑っていた。
「よかったな。」
そう一言だけ言うと、リヴはシルクの腕を引っ張って椅子に座らせた。
「粗末な寝床、質素な飯しかありませんが、どうぞごゆるりと。」
ルキはそう言うとシルクの前に暖かいスープを置いた。
その日初めて、シルクは城以外の生活をした。
自分でやることが多く、シルクにとっては大変だったが、とても楽しかった。