永遠の花ことば*完結*
「え……」
シルクは想像もしていなかった答えが返ってきたことに驚いた。
「んーっと、びょうきだったんだよ。
『はやりやまい』おれにはよくわかんないんだ。
でも、おれがまだ3歳のときだった。
あの時の事は、まだおぼえてるんだ。」
リヴはへへっとおどけてみせた。
しかし言ってる本人は、まだ6歳とはいえ、どんな思いで言っていたのか、
この時のシルクはまだ知るよしもない。
「でも」
リヴは続けた。
「俺には兄ちゃんがいる。」
シルクには、兄弟がいなかった。
兄弟がほしいと思ったことはある。
同じ年代の子供と遊んでみたいと思ったこともある。
しかしシルクの周りにはいつも笑顔の大人たちがいた。