永遠の花ことば*完結*
リヴはシルクの涙を服の袖でふき取り、そして言った。
「おれがシルクのはじめてのともだちになる。
そしたら、シルクは幸せ?」
リヴはこの時初めて、シルクと呼んだ。
リヴが昔、両親に言われていたこと。
今より幼い時の記憶で、両親の記憶など少ししかないリヴにとって、
唯一と言っていい、両親からいつも聴かされていたと。
『自分が幸せになるには、相手の幸せを考えること。』
『相手が自分のおかげで幸せになれれば、自分だって幸せになれる』
誰もが分かっていること。
しかしそれを実行するのはとても難しい。
「わたし…は。」
シルクがずっと思っていたこと。
普通の子供のようになりたい。
「わたしは、そうね、幸せだわ。」
シルクは涙目でそう言った。
思えば、この時から2人は恋に落ちていたのかもしれない。