永遠の花ことば*完結*
自分の手から、リヴの手が離れていくのが怖かった。
今だってそうだ。
自分だって悲しくても、いつでもシルクを優先してくれる。
だからこそ、この手から離れていくのが怖い。
「シルク?」
好きだと言いながら、また自分の胸で泣いているシルク。
昔から泣き虫なところは変っていない。
リヴはそんなシルクを守りたいと幼心に思ったのだ。
「シルク、俺はずっといるよ?」
普段は姫様。
リヴはシルクを姫様と呼んでいる。
しかし2人でいるとき、シルクが不安になっているときは、
普通の男の子と女の子になる。
まだ14歳の2人。
でも2人は普通の子供よりもうんと大人びていた。
早くに両親を亡くした男の子。
城の中の生活しかしらない女の子。
その女の子は両親も亡くした。
しかし男の子はそばにいてくれた。