永遠の花ことば*完結*
---フィルミスク王国,城内---
「姫様!シルク様!」
なぜか城内にはグーワナ王国の少年、リヴの声が響いていた。
なぜ14歳の少年が、しかも他国の少年が、
王国の城内でお姫様を起こしているのかと言うと…
「デートの約束すっぽかした理由は昼寝ですか!?」
グーワナの少年リヴと、フィルミスクの姫シルクは幼小のころから一緒にいる仲なのだ。
なぜ普通の少年とお姫様が出会ったかについてはまた後ほど…
リヴは悔しくなってシルクの頬を軽くつねってやろうと思い、
手を伸ばした。
するとシルクの閉じている瞳から、
ほろりと滴がこぼれ落ちた。
きっと普通に起こしていれば気がつかなかっただろうというほど一瞬。
少し悪戯をしようと差し出した手で、
そっと涙をすくおうとした。
「はっ」
その瞬間、シルクは座ってうたた寝をしていた椅子から飛び起き、
リヴに抱きついた。