永遠の花ことば*完結*



リヴのキザな言葉に対しての恥ずかしさより、

『始めてを全部貰う』という言葉に対しての恥ずかしさのほうが大きかった。




「も、もう一度…」



シルクが顔を両手で覆いながら言った。

顔はみえなくとも、髪の隙間から見える耳も真っ赤に染まっていた。



「え、!?」



思いがけないシルクの言葉に、リヴもつられて耳まで赤くなった。


しかしリヴはすぐに驚きの表情を少し意地悪な笑みに変えて、

シルクにもう一度口づけをした。



先ほどよりも少し長いキスの後、

リヴはシルクの耳元でそっと呟いた。



「…結婚も、な。」



それはささやかなプロポーズだった。

シルクはこの時、自分が第一王位継承者だということを忘れて、

一人の女の子として、うれし涙を流した。





< 32 / 180 >

この作品をシェア

pagetop