永遠の花ことば*完結*
「まだ時間あるよね!行こう?」
シルクはリヴの手を握って言った。
リヴがつながれた左手を見て、うれしそうに笑った。
そしてその手をブンと上に振り上げてシルクと目を合わせた。
はたから見れば普通の恋人同士だった。
城の廊下を2人で歩きながら、シルクはボソリとつぶやいた。
「お姫様が言うのもなんだけどさー、
お城の廊下って無駄に長いのよね。」
シルクの発言にリヴは苦笑いを浮かべ、同意を表わそうとした。
が。
長い廊下の先のほうから聞こえてくる音にそれはさえぎられた。
ドドドドドドドという効果音がぴったりな足音で近づいてきて、
キキーッというストップ音をつけてシルクたちの目の前で止まったのが、
シルクの父ラグルの従兄の娘に当たるミリアーネだ。
ミリアーネはシルクを妹のように慕い、
シルクはミリアーネを姉のように慕っている。
「もう!シルクちゃん!また作法のおけいこさぼったわね!?」
ただ、ミリアーネは厳しい。
シルクを時期王者としてふさわしい者にするため、日々苦労しているのだが。