永遠の花ことば*完結*
その様子に驚いたシルクは、ぱっと顔をあげた。
そしてリヴの少し怒った顔に、引っ込みかけていた滴がまたあふれてきた。
「シルク?もうおびえないで?」
そういつもの優しい声音が聞こえると、シルクは肩の力が抜けた。
ゆっくりと顔をあげると、シルクと同じ表情をしたリヴがいた。
「あ、リヴ…私、私……」
シルクはその顔を見て我慢ができなくなり、リヴの胸に顔をうずめた。
すぐにリヴに甘えてしまうクセのあるシルク。
ごめんなさい、と伝えたいのに、言葉が詰まってしまった。
「ごめんな、シルク。」
頭上から降ってきた声に、シルクは涙があふれた。
いつだってそうだ。
シルクが謝りたいときに、リヴはいつも自分から謝って来てくれる。
今回だって、シルクがただ急いてしまったくせに、怖がって、おびえて。
リヴは悪くないのは誰だってわかる。
けれど、リヴは怖い思いをさせてしまったことに対して謝っていた。
そんなリヴの優しさに、シルクは胸が痛んだ。