永遠の花ことば*完結*
自分の部屋に戻ったシルクは、窓の外を見ていた。
幼い時、この窓から鳥のように飛んでいきたいと願っていた。
「私は、一生籠の中の鳥なんて嫌だわ。」
そう呟いて、カーテンを閉めた。
鳥になれたって、籠に飼われたままでは意味がない。
誰もがうらやむ、
広い部屋、
豪華な家具、
きれいなドレス、
おいしいご飯、
すべてを持っているシルクだが、
すべてを捨てることは許されなかった。
「ふ…っ、ぇ、あ、」
不意にシルクの瞳から涙があふれて床にしみを作った。
どうして自分は自由になれないのだろう。
誰もがつらい思いをすることがあるのはわかっている。
けれどわかりたくなかった。
好きな人とただ一緒にいることすらゆるされないのなら、
どんなに周りに人がいてくれたって意味がない。