永遠の花ことば*完結*
「あら、シルクちゃん、目が腫れてるわ。」
シルクがミリアーネの部屋に入ると同時にミリアーネはそう言った。
一応顔を洗い、暖かいタオルで目をおさえて見たが…
やはりミリアーネにはお見通しのようだった。
「私、今日グーワナ王国に行っちゃダメかしら?」
シルクは机の上に置いてあったあの手紙をポケットからだし、ミリアーネに見せた。
きっとこの手紙はもうミリアーネも見ただろう。
「なぜ?そんなに急ぐことはないのよ?」
ミリアーネは宮女にお茶を出すよう指示をしながら言った。
しかしシルクはにっこりと笑って言った。
「私、わかってるの。
ミリアーネが私の結婚に本当は反対してくれてるってこと。」
そう言って、宮女が出したお茶を一口飲むと、
少し熱かったように舌を出しておちゃめな表情を見せた。
しかしミリアーネには、そんなシルクの表情は無理をしているようにしか見えなかった。
夜にどれだけ泣いたのかを思わせる腫れた目で、
茶目な表情など、できっこないのだ。