永遠の花ことば*完結*
そんな痛々しいシルクの表情を見て、
ミリアーネは目に涙が浮かんだ。
普段から少し垂れ下っている目が、
猫の目をひっくり返したようになっていた。
「ごめんね、シルクちゃん、
私じゃ、どうにもしてあげられない…」
そう言って、ミリアーネはシルクの頬を両手で包みこんだ。
そして慈愛の意味を込めたキスを額に送ると、
「私も、行くわ。」
そう微笑んだ。
つられてシルクの頬も緩むと、
2人は城に向かうために豪奢なドレスに身を包んだ。
ミリアーネはいつも一番にシルクの気持ちを理解してくれる。
そして自分のために何かをしようとしてくれる。
シルクはその想いだけで十分だった。
早くアスリと結婚し、リヴの事を頑張って忘れれば。
みんなうまくおさまるんだ。
そうシルクは考え、リヴの事を必死に考えないようにしていた。
しかし心の中には、いつもリヴの笑顔があった。