永遠の花ことば*完結*
なかなか居心地の悪い雰囲気が続いたので、
シルクはコホン、とわざとらしく咳払いをした。
「私が王位を継承するまで後半年あります。
それまでに私がアスリ様を好きになることはきっと不可能です。
それでも、きっと私たちは結婚することになるのですよね、?」
シルクは自分の頭の中でもまだ整理ができていないことをさらりと口にした。
彼女はいったいどれだけの悲しみを塗りつぶしたのか。
「そこまで言われるとさすがに僕も傷付きますよ?
…と、まぁ。僕たちの意思は関係なしに結婚の話は進むでしょうね。
国と国の平和、そしてたくさんの民のために。」
アスリはそう言ってシルクに微笑みかけた。
その笑顔には皮肉も含まれていることには、シルクでも気がついた。
「アスリ様、貴方、ミリアーネがいると敬語が上手になるのね。」
そう言ってシルクはさきほどのアスリの笑顔をそっくりそのまま返した。
アスリの言葉に少し不満を感じていたミリアーネも、
シルクが言い返した言葉で少し満足していた様子だった。