永遠の花ことば*完結*
無表情に近い笑顔。
普段のシルクを知らない人が見たら、
きっと可愛らしい女の子が幸せそうに微笑んでいるようにしか見えないだろう。
しかし、
その笑顔の裏には、
自分の心を隠した女の子がいた。
「よかったって、何が?
私が成人と同時に王位継承を行うことは初めから決まっていたことだわ。」
ミリアーネは冷たい声でそう言うシルクに心が痛んだ。
自分よりも年下の女の子。
普通に恋をして、たくさん笑って、
毎日が楽しい年頃。
自分がもしシルクの立場だったらどうだろう?
そう考えるだけで涙が浮かんだ。
「そうね…ごめんね、シルクちゃん……
成人の儀までまだ時間があるわ。
気晴らしに外でも歩かない?」