永遠の花ことば*完結*
「私は今日、15歳になりました。
そして、今日、このフィルミスク王国の女王となります。」
シルクはフィルミスクの民に向かい、大きな声でそう告げた。
「誕生日、おめでとう。」
そう言った現国王、ガイスから花束を渡されたシルク。
花の香りをかぎ、ふんわりとした笑顔を向ける。
「そして、今日からシルクは成人となる。
私は彼女に王位を授ける。」
ガイスの言葉に、国民は大きな拍手を送る。
その拍手の中心にいるシルクは、満面の笑みを返した。
ミリアーネは貴族の席からそっとシルクを見守っていた。
ガイスが豪奢な冠をシルクの頭に乗せると、
シルクはガイスと握手を交わして国民のほうに向きなおった。
「今日から、私は、
このフィルミスク王国を治める王となります。
前国王ラグルの娘として。
そして、フィルミスクの第一王位継承者として。
姫と言う鳥かごを私は自分の手で壊します。」
シルクはそう言うと着ていた鳥かごをデザインにしてあるドレスのスカートを取り去った。