永遠の花ことば*完結*
王子様の苦難
「シルク!遊びに来たよ!」
そう言ってシルクの仕事部屋を勢いよく開けるアスリ。
…あれから半年がすぎ、シルクはすっかり王の仕事に慣れてきていた。
そしてシルクにアタックを続けるアスリにも、慣れてきていた。
「いらっしゃい、アスリ。
いつもありがとう。」
王になったばかりのころ、シルクはリヴを自分の力でどうにか忘れようとした。
国の当事者となったからには、シルクは自分で自分の事を解決しなければいけないと思い込んでいた。
しかし仕事の忙しさ、
そしてアスリやミリアーネ、ユンリの作ってくれる楽しい仕事のおかげで。
辛いつらい想いをなんとか忘れていることができた。
「なぁ、シルクー、
そろそろ結婚してくれてもいいんじゃない?」
シルクが結婚を断ってから半年。
待ってくれると言ったアスリは、結婚することを急かない。
しかしときどき、こうやってシルクに冗談めかして言ってくるときがある。
きっとアスリもアスリで辛いのだろう。
その気持ちがわかるシルクも、また辛かった。