永遠の花ことば*完結*
自分はそんなにもわかりやすかったのか、と恥ずかしく思ったシルク。
しかしエマはさらに言葉をつづけた。
「国境に行く、という日だけ、すごく楽しそうでしたしね。
それに、シルク様が幼い時家出をしましたよね?
あの時一緒に帰ってきた男の子と城の中で一緒にいるところも何度かお見かけしました。」
シルクはなんとも言えなくなってしまった。
もうリヴと自分は関係ない。
そう思わなくてはいけないのに。
「私の、想いは、城の者皆に知られていたのでしょうか?」
あえて過去形で言い表すことによって、
リヴへの想いも過去形にできると思った。
「いいえ、心配なさらなくて大丈夫です。
けれど、まだ、好きなのでしょう?」
しかしエマのその言葉で、
シルクはやはり自分の気持ちは嘘にできないと思ってしまった。
半年間、隠してきた心。
心を隠しても、ただ辛いだけだった。
「シルク様はまだお若いし、私はまだアスリ様との結婚について、
ゆっくり考えて、ゆっくりゆっくり、思い出にしていけばいいと思いますよ。」
エマの言葉に、シルクの心は少し軽くなった気がした。