永遠の花ことば*完結*
「アスリ、ごめんね、」
シルクは不意にアスリの手を握った。
自分に大きな好意を持ち、大切に接してくれていることはシルクも気が付いている。
だけど同じだけの気持ちを返せない自分が憎たらしかった。
「え、どうした?」
シルクの様子に少し戸惑いながらも、弱く握られた手を握り返すアスリ。
涙目で自分を見上げる15歳の少女は、
最近無邪気な表情を見せていなかった。
「私、貴方に心配をかけてばかりだわ。
それなのに、貴方の気持ちに応えることもできない。
こんな自分が嫌だわ。
無理やりにでも気持ちを引き剥がしてくれれば、私は…」
シルクが今にも涙があふれそうな瞳でアスリを見ながらそう言うと、
まだ途中のところでアスリはシルクの手を引っ張り、シルクを立たせた。
そして強く抱きしめると、
少し体を離し、顔を近づけた。
「ア、スリ、やだ…っ」
シルクは無意識に声を洩らすと、アスリをドンと突き飛ばした。