永遠の花ことば*完結*
無理やりにでも、と言ったのは自分なのに、
アスリの顔が近づいてくると、リヴの唇の感触を思い出してしまったシルク。
両手で数えられるほどしか口づけを交わしていないのに、
その感触は自分の体に刻みこまれているようだった。
「あ…、ごめんなさい……」
シルクは慌ててアスリに近づいた。
しかし、
「やっぱ、シルクはまだリヴの事が好きなんだよな。」
アスリはそうぼそりと呟くと、
シルクを強く抱き寄せ、少し震えるシルクの唇に自分の唇をあてた。
接吻というよりは、唇がぶつかったという表現が似つかわしい行為。
アスリを拒絶することなどできず、シルクは目を閉じ、涙を流した。
「ごめん。」
シルクの涙に気がつくと、唇を離し、苦い表情をするアスリ。
そうぶっきらぼうに呟く様子が、リヴと重なった。
シルクの頭の中で、リヴに会いたいという思いが横切った。
離れてわかったこと。
それはリヴがシルクの中でとても大きな大きな存在だったこと。