狂愛の鳥籠
三滴
ある日。
彼女の中に白い記憶が生まれた。


−ここは何処?
誰か教えて、ここはどこ?


錆び付いた扉と頑丈な鍵。ガチャリと重たい音がして、扉が開いた。



扉を開けたのは彼。
彼女の悲しい現状。


彼は予想すらしていなかった。



「食事を持って来たよ」

『…』

「さあ、食べて。僕の愛しい小鳥…」

『貴方はだれ?』

「え…?」


突然の質問。
意味がわからなかった。
理解したくなかった。
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