Cutie Blonde*頬に白ホイップ*
* * *


「…っ…!あー…やっちゃったぁ…。」


スポンジが焼き上がったばかりのオーブンの端に右手が触れた。
びりっと刺すような痛みが身体を走る。
…火傷、私は人一倍多い。


「…また火傷…。」


お世辞にも綺麗とは言えない手。
私は右手を左手でぎゅっと握った。


「地味に…痛い…。」


私が手をさすっている時だった。
不意に人の声が近付いてくる。


「しかしお前もモノ好きだな。裏側なんてつまんねぇぞ?」

「それは倉持さんにとって見慣れた光景だからでしょう?
僕たち素人にとっては興味深い〝裏側〟ですよ。」

「…ったく分かんねぇな、記者っつーのは。」


ぎぃ…と扉が開く。
この声、間違いない。


倉持さんと……朝比奈さん。





「あ、ひなちゃん!」

「あっ…え…えとっ…。」


私は思わず背中に手を隠し、俯いた。

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