Cutie Blonde*頬に白ホイップ*
「取材ならあたしの方が良くない?だって可愛いし。」

「お前は本当に引っ込め。
今日はひなたの取材だ。」

「ねぇねぇどうよー記者さん?」

「…あの…朱里ちゃん…。」

「ひなたさんよりあたしの方がいっぱい喋れるし可愛いし、取材相手としては適してると思いますけど?」

「朱里。」


倉持さんが低いトーンでなだめるように名前を呼んでも、朱里ちゃんには効果なし…。


あ、この可愛くて元気な女の子は佐久間朱里(サクマアカリ)ちゃん。
お姉さんの朱音(アカネ)ちゃんが本当は正式に働いているのだけど、朱音ちゃんが旅行に行くとかなんとかでその代わりにやって来た。
12月1日に入ってきたから…今日で3日目…かな。


「僕は記者さんじゃなくて朝比奈と言います。」

「じゃあ朝比奈さん!あたしの写真使ってくださーい!
絶対絶対売上に貢献できるしっ!」

「朝比奈、こいつは無視していい。
ひなた、お前の味だ。しっかり記事にしてもらえ。」

「へ…あ、は…はいっ!」

「もーひなたさんってホントに『はい』しか言わないですよねー。
口下手なひなたさんに代わってあたしが…。」

「…お前は…ちょっと来い。」

「えーやだ!」

「味見、させてやる。」

「ひなたさんのシュークリームがいい!」

「いいから来い。」

「ごめんなさい、朱里ちゃん。」


朝比奈さんが柔らかく微笑んだまま言葉を続ける。


< 8 / 78 >

この作品をシェア

pagetop