Cutie Blonde*頬に白ホイップ*
「僕が取材したいのは朱里ちゃんじゃなくてひなちゃんなんだ。
だからごめんね。大人しく倉持さんの指示に従って下さい。」

「えぇーこーんな可愛いあたしに興味ないの?」

「そうですね。
今僕の興味の大半を占めているのはこの『ホワイトスノー』なので。」

「ふーん…変わってるんですね。」

「よく言われます。」


そう言いながら微笑みは絶やさない。
そんな朝比奈さんを見て、朱里ちゃんははぁ…と溜め息をついた。


「あたしの魅力が分からない人もいるんですねー
あ、でも気が変わってあたしの特集組みたくなったらいつでもどうぞー♪」

「…そうですね、その時はぜひ。」

「…朱里、お前本当にいい加減にしろ。つーか来い。」

「ぎゃー離してよっ!痛いっつーの!」


倉持さんにがっちり腕を掴まれたまま、朱里ちゃんが奥へと入って行く。
それを私と朝比奈さんは見送った。


「…嵐みたいな女の子だね。」

「は…はい。でもすごく可愛くて元気で…最近バイトに入ったばかりなのにもう人気者です。」

「そうなんだぁ…ちょっと僕には分からないなぁその感覚。」

「え?」

「今は『ホワイトスノー』しか見えない、からね。」


キラキラと輝いた瞳がただ真っすぐに『ホワイトスノー』に向けられている。
…自分に向けられているわけではないのに、まるで自分を見つめられているような気になる。

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