砂場のロケット 〜キミと見る群青〜

――― その微笑みと空気に

男の俺でさえ固まり


まるでアドリアナは
お茶を出す、機械仕掛けの人形みたいに
ただ茫然と、両手で服を受け取っている


「 ――― 失神するほどリハビリして
あそこまでルウは歩ける様になった

それでもまだ、
ジョイントが壊れたみたいに
突然道で、転んだりする


…壊した物を元に戻す苦労を
少し味わえ

これはたかだか
布を縫い合わせて行くだけだ 」



ハルトは机の上から
かなり年季の入った裁縫箱を
ゴトリと、台の上に置く




「 ―――… 岡田クン
何ボヤッとしてるの？
早くルウを探しに行って 」


「 ――― んな… 」


喉の奥が絡まって

『 この状況で、行ける訳ねえだろう！ 』


その台詞が
上手く口から出たのかは判らない