砂場のロケット 〜キミと見る群青〜



"好き"と言われた


出会う前、携帯の向こうから




俺にとっては、
一気に世界を変えてしまうその『言葉』は


…俺のHに対する感覚と、
何等変わらないのかもしれない

彼女からすれば、意味なんかなくて…


そんな事を思ったし

―― 実際彼女は、変な所で幼い



…そういや"好き"って"like"なんだよな

『好意』


"Love"じゃ ない




―――… もうやめとこう

これを考え始めると、延々堂々巡りだ




「 ごちそうさまでした! 」


――― パン!と打ち鳴らしたその音で
俺は思考の渦から一瞬、我に帰る




目の前にいる男


歌う彼女を、ずっと守って来た一人


" 真木空哉 "



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