砂場のロケット 〜キミと見る群青〜




「 卒業式に行ったの 皆で 」


「 え  誰の? 」


「 ユカちゃん
タカコちゃん、ユリ、シノの 」



「 ――… ああああ
もう卒業だったのか あの子たち 」


「 うん

ユカちゃん達の、先生が
私がケガした時に
かばってくれた人なのがあったから
御礼も、きちんとしたかったの 」


「 …… え 」


「 まだ時々、箱振ったみたいに
きっかけがあると、忘れてた記憶
パズルのピースみたいに
ポロポロ、突然出てくる

私、その先生の事 ちゃんと覚えてた


――― 腹圧で
腸が出ちゃうとヤバイから
ずっと、傷口押さえてくれたリュウジ


間に割って入ってくれた
カイヘーや、その先生


大パニックの中
一撃で、あの人の動きを止めたタカオ 」


「 …… ハルトか 」


「  うん  」




――― やけにシッカリした
アズの口調に、奇妙さを感じた




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