砂場のロケット 〜キミと見る群青〜
" 後悔してない "
庇った事に関して、アズはそう言った
でも、あんな事がなかったら ―――
『"夢みたいな日々が続き
姫はずっと、幸福に暮らしました"』
そんな風になっていたかどうかは知らない
奴らも当時は、まだ子供で ―――
…… 第一、考えてもみろよ
俺は、いつも思ってた
例えば、"ロミオとジュリエット"
あの二人は確か、中学生位
浅はかでも計画的に
逃避行を目論みたジュリエットに比べて
知らなかったとは言え
状況にテンパり、自ら命を絶ったロミオ
"愛しい人に会うために
どうやって足を手に入れようか"魔女との交換条件を思い付いた人魚姫
白鳥の湖、その他 ――――
…… 全部、王子がアホだろ
七人の小人が、泣いて騒いでも
王子様がキスなんかしても
リアルじゃ、何の意味もない
"その後"も、物語の中の奴らには
"お話"は、ずっと続いてくんだから ―――
あんな事がなくて
あの四人で見事、デビューしていたのか
青山とアズが、
ずっと続いて行ったかなんて
日々、新たな出会いのある中
どうなっていたのかなんてのは判らない
だけど、あいつらの事だ
確かな友達としてでも
そうやって卒業式を祝ってやったり
心温まる日々はあったはずなのに
「 …普通だろ そういう感情は今まで何も言わなかった方がおかしい 」
「 でもこんな事いえない
言ったら皆、また変な責任感じる 」
「 アホ
…… 言えばいいんだって 」