砂場のロケット 〜キミと見る群青〜



「 ご、ごめんね? 」


「 トイレごときで、何謝ってんのよ 」




竹下通りと書かれたアーケード

ちょうどタバコも切れたし
向かったのはコンビニ


八時を過ぎると
ほとんどの店は閉まっていて
他に開いているのは
ファーストフード店位だ


手開きのドアを引いて
先にアズを入れる




「 もらす前に行け 」


「  はい 」


アズはレジに一言かけて
雑誌コーナーの前を走りトイレへ


少し焦っている表情が
おかしくて笑ったら
恥ずかしそうな顔で睨まれた


… そんなアズが可愛いとか
俺、ヘンタイかな…


違うか

単純に、嬉しいんだ

アズと居る事が




――― 菓子コーナーで
ゼリービーンズを見つけて
一気に、あの夏の日の記憶が甦って来る




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