砂場のロケット 〜キミと見る群青〜



外に出ると、風が少し冷たい


道沿いの水銀橙の、淡く白い光


人のいないアスファルトには
カラコロと転がる紙コップや
靴跡の付いたチラシが舞って行く


シャッターは中々
塗装し直したりしないから
どの店の物も禿げたりしていて




「 ――― 何となくよ

" 世界が終わる何時間前 "とかっぽいな 」


笑いながら、そう言った途端


思いがけずアズが
俺の服のスソを掴む




「 … 何よアズ
――― お前、こういうの怖いのか…? 」




アズが頷く前に
思いきり、肩を抱いた ―――



< 182 / 569 >

この作品をシェア

pagetop