砂場のロケット 〜キミと見る群青〜
…さりげなく握るとか
想像みたいに、上手くいかないもんだな
"やり慣れない事は
あまりするもんじゃないな"とか
自分の中の自分に、すかさず突っ込まれる
それでも、
こんな俺の手ですら包み込める程
アズの手は小さく、頼りなくて…
――― アズの歩幅に合わせ
ゆっくり歩いた
「 … アズさ 覚えてるか? 」
「 う? 」
「 …電話で話し始めてから、少し後か
SeroやAsuraとレベル上げしてて
街に帰って来た時にさ
突然周り中、一斉に落ちた事あったろ 」
「 ―― うん!! 覚えてる!!
えっと、大きなプロバイダが落ちて 」
「 だな
SeroやAsuraも
そこ使ってる奴多かったから
それで復帰するまで、
二人で喋ってたんだよな 」
「 そー!
そしたら大声で
『誰か生き残ってますかー!! 』って
たくさん聞こえて来たんだよね 」
「 大泣きしてる顔文字付きでな 」
アズが笑う
「 あの時すごい、友達出来たよね 」
「 明け方で、人は少ない時間だったけど
いつもは何百人もいる街に残ったのが
何十人になったからなー
――― 俺はそれ、思い出したな 」
「 皆、どうしてるかなあ… 」