砂場のロケット 〜キミと見る群青〜




金属音をたてて
床で煌めきながら、着地する銀色



「 よお、黒王子

ウチにはウェイターさんや
カワイイメイドさんは居ねえから
自分で拾っとけよ 」




" オマエもか "
真木はそんな顔で苦笑して、
煙をひとつ吐く




「 …うちにもメイドさん…

実家にはいたけど、オバチャンだ 」




動揺で、訳の判らない返答をし
石板張りの床に、しゃがみ込む


その音を聞いていたのか

無言だった灰谷が、口を開いた




『 …俺と、ユカと、皆で遊びに行った
バレンタインデー

夜中から朝まで、
二人は奥の部屋から出て来なかった


そんな状況証拠があって
…何で空哉さんは断言出来るの 』




――― そりゃヤッてるだろう


俺の中の自分が
口の端をあげて、そう笑う


… 前の俺なら、確実にやってる



「 …だからよ〜 」


床にゴッと音をたて、椅子を引き
脚を大きく組んで、真木が話し出した



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