砂場のロケット 〜キミと見る群青〜
「 あのな?
―― あの二人が普段会った時
オヤジとコドモみたいにじゃれあったり
それが標準行動なんてのは
オマエも重々承知だろうが
…アズルは水谷の所から飛び出して
それを、青山が助けた
怪我の看病やら、メシ食わせるのも
風呂入れるのまで…
全部アイツが面倒見てたんだ
俺らとバンド組んでた当時も
練習中以外では、ずっとそうだった 」
『 …そんなのは知ってる 』
「 別の部屋だったかもしれねえけど
仮にもひとつ屋根の下だろ
―― しかもまだ未成年のユカもいた
まあ、キス位
… それ以上の事もそれなりに
何もなかったとは言わねえけど
それ位の分別は、アイツらにだってある 」
… そういう分別、無かった人間が
ここに居るし…
灰谷は、ソファに倒れ込んでいるらしく
背もたれが邪魔して
だらりと垂らした手しか
ここからは見えない
『 … 平気だと 思ってたんだ… 』