砂場のロケット 〜キミと見る群青〜
「 俺はさ?!
誤解したまま一年も ―――
―――… そ、…それはいいや
どうせ怖くて
中味も開けてないんだろ?!
――― それにもしかしたら
… ハルトがまた
マンハッタンのベースの時みたいに
青山から、知らないうちに奪ってとかよ 」
「 ―― え
ハルト… リュウジからベース
預かっただけだよ?
"修理に出してあげるんだ"っ て… 」
「 ―― は? 修、理…? 」
「 うん
リュウジ、ベース
盗まれた時あったでしょ?
弾くのに支障ないけど
部品が一個、傷ついちゃって
取り替えるにも… えと 」
「 ――… 一点ものか 」
「 うん!!
…もう製作者さんが亡くなってるし
お弟子さんとかも居ないの
でも、もう結婚してる娘さんが
この街に、住んでる事が判ったよって
ハルトが連絡つけてくれて… 」
「 ――― マジか… 」
「 … うん 」