砂場のロケット 〜キミと見る群青〜
しばらく無言
そして
少しおかしそうな、
息を漏らすみたいに穏やかな声が言う
『 誰かに、 "離れろ"
そう言われたら、君は、離れるの? 』
「 ……………… 」
言葉に詰まる
俺は自覚してなかったけど
とっさの台詞に躊躇するタイプらしく
… アズと喧嘩なんかすると
それが悪化し、ひどい言葉を投げてしまう
――――― 今回は
"当たり前だ"
無条件に浮かんだ気持ちと
"でもそう思ってもお前アズの事、
危ない目に遭わせてるすけ"
笑いもせず、ハッキリ聞こえるその台詞は
…… 何故かログ画面で
最高級のレア装備、デカイ剣を持った
かなりカッコイイ"Maxim"の姿 ―――
携帯の向こうから
カラリと窓を、ひらく気配
『 ここの所
あずるちゃんも忙しくて
顔、見てなかったからなあ
少し肌寒いから
何か多めに羽織らせて
ゆっくりおいで 』