砂場のロケット 〜キミと見る群青〜
角を曲がると、ザアッと言う音がした
そして
沸き上がる様に咲く桜とともに
低い位置に吊された
放射線状に列なる、紅白の提灯 ―――
一斉に降って来る 桜の花びら
「 …… 桜がこんなに… 」
「 この辺の桜は
時期が少し、周りより早いんだって
近所に大きな神社もあって
この提灯追って行くと、そこに着くの 」
「 ――― アズは
綺麗な場所、たくさん知ってるな 」
「 へへー
ご近所探索とか大好きだもん
――… イケヤンが
まだ私が、車椅子のときに
ここまで…連れて来、て…くれて 」
…… アズ?
「 ――― うん それで? 」
夢見る様な顔付きに変わった
アズの手を握る
「 ――… おひなまつり
クウヤが車で、いきなり来て
すごい…大きな
…お雛様を、持って来てくれたの 」
「 …… 凄いな 」