砂場のロケット 〜キミと見る群青〜
「 まあよ ――――
不沈と言われた豪華客船
タイタニックだって沈んだんだ
だから、先はわからねえ
――― そんな船だけど
アズル
オマエも一緒に、乗ってくれるか… ? 」
―――― 真木は
落ち着いた、それでも力のある笑顔で
碧い瞳を覗き込み
アズは何度も頷きながら
真木に抱きついて
本当に、大声で 泣いた
そして真木も
…… 俺が今まで見たかぎり
どこか遠慮がちで
むしろ触らない位にしていたその手を
アズの背中に そっと回した
―――― 服にシワを作る指
交差して行く両腕
瞼を閉じ 微笑んで
細い首に、顎を降ろして抱きしめる
互いの髪が重なり、抱き合う
――… ただそれだけなのに
それは、造り物のAVの絡みなんか
このエロさに比べたら
比じゃないなって位の雰囲気
それは、真木が初めて晒した
『 男 』としての、顔 ――――