砂場のロケット 〜キミと見る群青〜




「 … だから 動いたのか… 」

「 動くって? 」


「 ――…  船  」


「 新事務所の事は
アイツがデビューした直後から、
下準備はしてたぞ


そして今回めでたく
松田さんがGlobalから円満独立
ウチの社長になった


横の繋がり、縦の繋がり

――― ホールにしたってそうだ

ゴタゴタを後まで引きずると
アイツから歌う場所を奪いかねない


数年前からテレビ局側より
事務所側の方が
力関係として強い流れだからな

そして松田さんはテレビ局とも
かなり、繋がり深いから ――――


海図もある
船長は一級


規模は小さいながらも
かなり綿密に、時間をかけた


初出港する船としては
かなり良い波だと思うぜ? 」




「 …洒落にならないくらいデカい
ホワイトデーのお返しだな 」




真木は煙草をくわえ、一瞬笑って
そのままカーテンの奥に、眼を向けた




「 …… アイツは言われるままに
何でもしてくれるからな


しかも 一番欲しいカタチで


だからオレは
アイツの欲しがる綺麗な場所へ
一緒に連れて行ってやるんだ


…… 例え、船の中 限定だとしても 」




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