砂場のロケット 〜キミと見る群青〜
「 アズが部屋さ、飛び出してったのは
青山がユカちゃんに
スタジオ入ろうとかいう話
電話でしてたらしくて!
――― それで、ヤキモチ焼いて 」
真木が…ゲラゲラ笑い出した
「 や… やっぱりアイツ馬鹿だなあ!!
青山が"あずる"抜きで
そんな話進めるワケねえじゃねえか!
… ガキどもの卒業式行って
ストロベリーピンクって
バンドなんだけどさ
最後だからってんで
卒業ライヴやったんだよアイツら
―――― スゲエぞー
あそこヴォーカル居ないからさ
最後に飛び入りで、灰谷が入った 」
「 うお…
―― 大騒ぎなったんじゃないのか?!」
「 … それがよー
客少ねえのなんの
視聴覚室でやったんだけどさ
十人いるかいないか
見ようによっちゃ
VIPなライヴだったんだけどな
――― まあ、そんな感じで
終始ギャーギャーウルセーあいつらと
学校の倉庫に置いてあった
私物のアンプやらドラム
車ん中に、運んでさ
… アズルもヤツらと一緒に笑ってたけど
―――― 判るじゃんか
その日の夜中に青山から
"アズルにあんな時間
与えてやれないかな"って話があって
タカコとシノは、こっち出て来るし
ユカちゃんやユリちゃんも
土日はタカコの所
強いてはオレの部屋の隣に
集まる話、してたからさ 」